imdbに修正依頼を出した案件は、韓国を中心に各地の計30件にもなってきて、
シネスケに並ぶ貢献先となりつつある今日この頃です。

金沢レポートの続き。
シンポジウムは
http://www.geocities.jp/com_cine/kcff2004_symposium.html
なかなか面白いメンバーがそろっていた。
途中からしか聞いてないのだが、
いかにして、地方都市を映画・映画館と絡めて町おこしをするか
といったテーマで、それぞれまったく違う立場の専門家の意見が交わされた。

役人の偉い人、寺脇さんの発言、かつて生涯学習施設から町おこしという企画に対して債務保証をする出す法律を80年代に作ったのに、当時は「箱物以外の話はおとといきやがれ」と追い払われたが、法律はまだあるので県と市町村の両方が動けば使えるかも、なんて話は面白かった。

街づくりの立場の小間井さんが、「公的助成金を出してくれても、儲けたら返せといわれる、頑張っても持っていかれるのは意欲をそがれる」と言えば、寺脇さんが「助成金は、それがなければ出来ないところに出すもの。1億円必要なのに8000万円しかないのに2000万円出すのであって、1億円集められるはずなのに、2000万円楽して稼げた、という甘えを生んでは公的資金の使い道としてはだめ、あまったら返せというのは当然」と。この対立はどちらの意見も当然という対立だけに、これからもずっと課題のままだろうなと。

建築の学問の人、小野田さんの言葉、はしょって言えば、好きな映画のタイトルを交し合うだけで人となりまでわかってしまうような体験が出来る、映画というもの、というのをメディアの人金森さんがえらく気に入っていた。この言葉はなるほどうなずくところはあるけれど、それって別に映画の専売特許じゃあない。昔はそれは活字の仕事じゃなかったのかというか、今でも活字がそういう役割を担うことがなくなったわけでもない。今この現在を映画産業が興行的に成功していると見たところで、そこまでに映画を「利用」している人はそう多くないだろうし、活字のそれとどっちが多いのか調べてみても面白いとおもうくらいではなかろうかと。
まぁでも、私は映画は好きだし、伝統芸能保護と同じ程度には理屈の上でも、守りたいとは思う。映画文化を育成・保護とかいうのがテーマになりうる時点で、つまり斜陽な産業ではあるのだろうけれども、なくなるのは勿体ないなぁ。

駅前から一度映画館の消えた高崎に映画館を取り戻す目前までこぎつけた茂木さんの話も面白かった。

金沢で映画館を経営しながら、子供向けの映画(映画館)教室をやりながら金沢のコミュニティの映画館を目指す土肥さん、あんまりパネルディスカッションは上手そうじゃなかったが、やろうとしていることに魅力は感じた。

最初に挙げた寺脇さんの発言なんか、他のパネリストも意外だったようで、いやこのメンバーで色々意見を交わすと、まだそういう眠っているネタが出てくるんじゃないかという期待も感じさせるようなシンポジウムだった。まぁ、あくまでそれぞれの立場で「活動」している人たちの最前線の報告会という側面の方が強いわけで、そこで新たな結論が出てくるとかそういうのはあんまり期待しても仕方がないのだけれども、私のような素人からすれば十分に面白い話だった。