よんだほん

『ビッグ・ピクチャー』 ハリウッドビジネスの内幕を書きまくった一冊。最高。
「見せかけのクレジットの価値」という章によると「アメリカ脚本家協会WGA」は「調停役」だそうだ。IMDBでハリウッド映画でWGAデータを修正出来ないのには強い理由があったと。プロデュース関係のいくつもある名前の差(Line-ProducerとかCo-Producerとか)も適当なものだと言い切る。
いくらインタビューで「彼はスタントなしでアクションに挑んだ」と連呼しようとも、作品の具体例を挙げながら、俳優に対して保険をかけている会社が許すわけないし、そもそもちゃんとスタントマンの名前がわかっているという。ハリウッドの歴史にも切り込んで、日本資本・日本のキーマンの関与。ビデオやDVD、ケーブルテレビ等との関わりetcハリウッドの基礎知識に十分。
膨大な調査に基づき、多くの引用をしている。ただ、この手のもの、関係者の発言は「時に当てにならない」という原則がある。同じ事件に別の関係者が違うことを言うなんて日常茶飯事。記憶違い、立場の違い、初めからネタにしているetcあるが、「プロモのインタビューは当てにならない」ことを論証しながら、多くのインタビューにも依る本書の信頼度を判断する方法なんて素人にはないのだが、説得力は十分にあるので、それで満足としよう。