あいち国際女性映画祭 2011

良い映画が多いので、まだ完売じゃないので、どこの国のどの作品とは言いません、目指せ完売。だって作品の水準高いんだもん。

私が見てきたのは…ほんとはもっと見たかったけど。。。

『2lines 私、妊娠しました』
チミン監督。ジェンダー的立場から名字抜きの「チミン」を名乗っていらっしゃる監督。色々進路を考えて居た所の「妊娠」(検査薬に出た二本の線=原題かつ英題の「二本線」)。パートナーとの関係含め出産後等ドキュメンタリーです。まぁ大ヒットするような映画じゃあないでしょうけど、人間が描けていて、ソウル国際女性映画祭での受賞したのは作品の水準故とはっきり言える良い作品です。

トーク「韓国の[本当の]映画事情」 イム・スルレ監督、チミン監督、木全純治(映画祭ディレクター)
ええと、途中で抜けちゃったんですけど、開始時、募集40人の所スタッフ込みで50人以上の大盛況でした。平日の16:30からなのに大盛況にびっくり(無料だからというのを考えても…)。といってもまぁ、確かに生の声で語ってもらえる貴重さはあるんで、観客全体の満足度が低かったとはあまり思わないんですけど、テーマがそれだけはっきりしているなら、資料を作って配ってほしいものです。ゲストのプロフィールは公式パンフ買えって話もあるんですけど、韓国における洋画・邦画シェアみたいなのはプロジェクター資料もなんもなく口頭で説明するのはちょっと。客層を育てることを考えるなら、近年の推移グラフとか資料にして配ってほしいものです。ただで配ったりするのが難だというなら、参考資料売ってもいいけど。ダメなんですか?

『牛と一緒に7泊8日』
傑作。こういう映画どんどん撮られてほしい。見られてほしい。まー、日本公開はされるだろうけど大ヒット性じゃないので、丁寧にミニシアターで広がって欲しい。ちゃんと見る人たちが見れば、キネ旬のランク、ベスト10に入るかまではわからないけど、いい順位行きますよ。行かなかったら投票権を持つ人にあまり見てもらえなかったと思っていいでしょう。
牛、自然、役者、すべてよし。台詞も、映画祭ゆえの雰囲気の後押しもあったと思われますが、随所に笑いあり。この「笑い」が、センスがいいんですよ。映画というメディアの魅力全開。両親の牛を売ろうとした子どもの物語。牛と人間、親と子、本人と元友人、人間関係。そこに夢なのか若干ファンタジックな(単なるリアリズムではつじつまの合わない、しかし地に足のついた)展開が混じっていく。仏教「尋牛図(十牛図とも。映画祭パンフは尋牛図と)」についてはぐぐってもらうとして、そういったテーマも交えながら…イム・スルレこういう映画もまた撮れる。彼女の才能・技術はどこまで奥が深いのか。映画祭パンフの文章が若干不親切なんだけど、牛は韓国で役者牛の数頭のうちの1頭でその筋では有名な「モッポ」という名前だそうで。
原作が読んでみたいなー。原書を読む気力は多分当分ないので、日本一般劇場公開に合わせて出てくれたら万歳…かな。