Re: 日本市場へ売り込むK-POP&韓流、売り込まないC-POP&華流[絵文録ことのは]2011/08/02

色々コメントしたいこともあるけど、資料をひっくり返す気力がないので、時間をかければもうちょっとはちゃんとした文章になるところをそれ未満のメモのコメントになってしまうけど、忘れないうちに思うところを書いておきたい。
C-POPに「限定」すれば、確かに日本ではあまり売れていないが、チャイニーズ芸能マーケットは日本では韓流以前から小さいというほどではない。といっても中華圏芸能の流行と日本での流行には大きなずれがあるが、たとえば映画を見ると、「ヒット作」だけに限れば、日本でので歴代興行収入ランキングを作ってみれば、韓国映画より中華圏の映画の方が上位を占めていることがはっきりわかるはず。
・中華圏芸能マーケットとして、香港系から見れば大陸マーケットは人口を基準にすれば実際のところ小さなものではあるので、韓国と中華圏を比べて5000万対13億と比較するのは比率が間違ってはいるが、韓国が海外戦略をする以前から韓国にも(日本にも)華僑にも多少なりともマーケットを持っていて(それほど大きくはなかったが)、このとろのほんの十数年における韓国勢の海外進出で差が縮まったとみるべきではあろうがそれ以前からの市場規模は中華圏の方が明らかに大きかったために、新たな海外進出の動機の違いの理由の一つとしては見てよいと考える方が自然では(どの程度なのか、というのはもっと資料をもとにした議論が必要)。まぁ、細かいことを言えば、韓国勢の中華圏進出は「韓流」以前にまったくなかったわけではないが、まぁ市場的には誤差範囲でよいのでは。ここは数字でちゃんと分析をして比較をしたいところだが手に余るので厳密さに欠ける所は批判されても仕方がない。
・中華圏の他マーケットとの動きを見ると、ハリウッドなどとの動きが見えてくるはずで、ことさら「日本」をターゲットにする必然性は低い。日本や韓国もハリウッド進出傾向はあるが、商業的には中華勢の方が明らかに成功している(失敗例もあるのでみんなみんなとは言えないのだが)。数年後のことはわからないが、現時点で日本や韓国にジョン・ウーアン・リーがいるか?(アン・リーは経歴の特殊性があるのでここで挙げると卑怯と言われるかもしれないが、日本や韓国にもアメリカ等滞在経験の長い映画人はいる)
・韓国芸能情報をウォッチしていると、欧米進出ネタもあるにはあるのだが、本気で狙って成功している例はまだそれほどには多くなく(まったくないとは言わない)、この十数年のうち、前半は特に、どちらかといえば話題作りか、在米同胞向けがメインだったという方が適切ではなかろうかと。一方で、かつて日本の「おしん」が東アジア以外のアジアでも影響力をもったような影響を韓国芸能が一定の影響を残してきた近年の動きがどうなるかは不透明。
・中華圏とひとくくりにしたが、大陸、香港、台湾のマーケット間には相互に明らかに壁があって同じではないのだが、この20年の間に相互の人と資本の動きは活発になっている。今後の予測は最新の動向を私がチェックしてないのでなんとも言えないが。。。
・前世紀で韓国で中華芸能といえばカンフー映画なんかはある意味日本より流行っているぐらいだったりしたのだが「作家性の強い」監督って中国から韓国、とか韓国から中国、というアプローチは少なくとも1990年代にはあまりみられなかったのだが(どちらもお互いの映画よりは日本の作家に興味があったと言っていい)最近はそうでもない。というか日本、その他各国を含めたクロスオーバーな芸能界の動きは進んでいる。ためにするコラボもあったりするのでちょっと変なものもあるが、少なくとも、日本対どこの国、の情報をつなぎあわせて先読みするのは全体を見誤る元。これは日本特有の現象でもなければ芸能ネタ限定の話でもないが、他国と他国の間で何が起きているかを着目するのは重要な視点である。まぁ、言うほど自分が情報を揃えているわけでもないのでここで現時点でこれ以上具体的・正確に何か書けるわけでもないのだが、ここは強調したい。
…というか、この辺本当は気力があれば東アジア芸能マーケット中心に各国の中と各国間で何が起きているのか、マニアを集めて今こそ情報を発信してみたいとか感じたりもしているのだが(メディアはブログでも同人誌でもなんでもいい。売れるなら商業誌でも出せればいいけど…あまりに売れそうにない。ついでに愚痴をこぼせば、この人なら重要なPOV、データ分析を書ける、と思うような人は依頼してたら原稿料だけでもばかにならず多分回収できそうにない)

ちょっととりとめがなくて申し訳ないけれど、このまま流してしまうのももったいないので課題・話題提供レベルで恐縮だけれども、できればもっとあとに続けて深めておきたい…。
#松永さんがその気で、うちにある本でお読みになってない関連書籍を調査されたいなら段ボールで送りつけてお貸ししたいぐらいの気分はあるのだけれども…まーその手の本はもうみんな読んでるかなー…。