無題的な雑談

某所で「サブカル系はやっぱり都会にいるかどうかが大きいよね」って話をしてた人がいて、まぁそれはもちろん同意するのですが、そこから雑談的にしゃべった話からとりとめなく話を続けてみる。まぁ今までにどっかで誰かが言ったことのあるようなことばっかりだけど。

ネット時代になりました。ネット初期にある人が言ってました「ネットのつながりで情報時差がなくなる、っていうけど、入ってくるのは東京の情報ばかり」。時差がなくなったのは一面本当で、『フラット化する世界』的な側面ももちろんありますけどそれが全部じゃなくって…。いやまぁネット初期と比べたら地方の情報も増えたけどねっていう話もあるんだけど…。でもまぁ話が一度元に戻って「やっぱり演劇とか体験してなんぼ系は情報だけ飛んできてもなんともならんのでサブカル系はねー」っていう話がでて。まぁそれはまったくその通りです、と。でもこういう話をすると、いやまぁレンタルビデオ/BS/CS/CATVのもたらしたものって大きいよねっていう話にもなって、特に映画系は時差はあるけど、見れなかったものが見れるようになったとか、ニッチな番組によって情報が届きやすくなったとかって非常に大きかったのだよねとかなんとか(そういうことを言えば演劇の放送だって似たようなことは言えるけど、映画と比べると影響は小さいような気はする)。映画館の二番館文化やリバイバル上映とかの時代から失われたものもあるのでそことの比較はまたそれはそれで面白いような気はするけど「ニッチ」に限ると、多分この「レンタルビデオ/BS/CS/CATV」時代の以前以後って違うと思うのですよね。別にエビデンスとかないけど。まぁわかりやすい具体例を挙げると、「NHKBSがなかったら、例えば1990-91年頃に「今『欲望の翼』(当時邦題ないので英題で)が話題、では前作の『今すぐ抱きしめたい』を放映します」って地上波では田舎で見れたりはまず無理だったでしょねとか。アルモドバルも同じ流れで紹介してたとか。同じ流れでスパイク・リーレオス・カラックスジム・ジャームッシュとか扱ってた記憶。元の『今すぐ抱きしめたい』に戻るとBS放送以前の国内紹介は映画祭的なもののみだったんじゃなかったっけ」っていう感じで。他にも1990年前後に韓国の音楽番組を取り上げたり映画を取り上げたりってのはかなりニッチだったのでこれを地方でとなるともう貴重な情報だったわけですよ。

で、この辺からまた別の話につながるんですが、ネットはネットで「大多数の知らない間にブームが出来上がっていた」現象を起きやすくした感はあって。「大多数の知らない間にブームが出来上がっていた」的なもの自体は昔から時々あることで、ネットはネットでそれを起こしやすくしているよね的なものがあるんだけど、実はこの「レンタルビデオ/BS/CS/CATV」的なものもそれに一役買ってるのではないかと。確か『韓流インパクト』小倉 紀藏(2005)の中でNHK関係者談としてBSはアーリーアダプター視聴傾向があることと冬ソナブームのきっかけになったのでとの関連を指摘する下りがあったと思いますが、はっきりしたエビデンスを私が持ってるわけではないのですが、その時期に−多数の日本人が知らない間であったかもしれないが−熱狂的な人達が生まれていった、それを示す当時の話はちらほら聞いているので、まぁこれも関連した話なんじゃないですかねとかなんとか。こういうのを比べると、AKB48なんかのブームまでの道のりは、もちろん大多数に見えなかったあれやこれやはあったような話がTV等々で取り上げられてこそいますが、ブームの中ではどちらかといえば「人の見える中でブームが作られていった」に近い側(予算と宣伝投じてあっという間に大ヒットした系と比べれば、AKB48なんてそうじゃないよって声は当然あるでしょうが)なんじゃないかとか、ね。

まぁ、この辺、やる気がある人がちゃんと調べたら面白いこと出てくるんじゃないでしょうかとか思いますけど、まともにエビデンスとなるようなしっかりした調査は多分死ぬほど大変だろうなって思います。