『ライジング・ドラゴン』と『ラストスタンド』

普通の人ならこの二本を引き合いに出して比較してどうのとはきっとあんまり言いませんね。
たまたま日本で類似な時期に公開され、韓国映画関係者が映画にかかわってる(前者は俳優、後者は監督と撮影監督)
作品ですが、それを抜きにしても類似点はないではないです。
「大年のアクションスターがいい年をとってまぁ控えめに言っても全盛期とはいえない状態で出た映画」
世代も、近くないこともないですが、方やジャッキー・チェンは60目前、シュワルツネッガーは60代半ば。
シュワルツネッガーは、主演ばりばりアクションからはちょっとばかりブランクがあるので日本の興業でも実質
「復活」を歌う。ジャッキーは、まぁ主演ばりばりというとシュワルツネッガーよりはずいぶんアクション仕事しているが、
最近本数が減り気味なのでブランクと言えなくもない。
元々、一方は「香港系アクション、カンフー寄り、ハリウッドにも時々出てた」と「アメリカの度直球筋肉むきむき」
なのでそのまま比較するのも若干無理があるのだけれども、実はやっぱり共通してるのは
・なんやかんやで絶頂期はどっちも過ぎてるのであのときと同じことはできない
・どちらも、主演の年齢が若干高いことを意図したキャラ作りになってるし、それを利用したコミカルさを織り交ぜている。
かといっても、ジャッキーのそれは、昔のそれと比べてその変化は−少なくとも今回のシュワちゃんのそれと比べると
さほどでもなく、シュワちゃんは、どことなく「高齢者アクション」というジャンルでも開拓したいんじゃなかろうかと
思うぐらい。まぁジャッキーはジャッキーで、軽い身のこなしを保ってる部分も多々ありつつも、今の彼にでもできる
コミカル肉体アクションの範囲内でおもしろみを出そうとしている工夫がまぁそれはそれで見事。

・・・まぁどっちも、映画としてはそれなりにおもしろかったし、しかし、まぁ限界あるよねー、文句は言うまいって
感じなんですが。残念ながら、一番気になったのは、『ラストスタンド』、CG至上主義を選ばなかった辺はキム・ジウン
らしいとも言えて、故に、『ライジング・ドラゴン』を強引にも私が引き合いに出したいと思うような作品になってこそ
いるが、「韓国から抜擢された才能あるハリウッド映画の中で仕事をしていることの個性価値を作品から出せるだけの
結果を感じるのか」という点においては、私は感じ取れなかったということは素直に述べておく必要があるかな、などと。