よんだほん

『ソウルの風景 −記憶と変貌−』四方田犬彦
私にしてみれば、またしても今更読んでいる、という感じ。当然読んでるだろと思われている本を漁っている今日この頃。
せっかくここの日記に書くので全体の感想はやめといて、当然四方田氏なので、南北関係の話題になると『JSA』やら『シュリ』が出てくるし、作家李浩哲(イ・ホチョル)や李清俊(イ・チョンジュン、『西便制』原作等)との出会いなども。当然『ペパーミントキャンディ』についても言及がある。
あとがきの謝辞には林権澤(イム・グォンテク)、李鳳宇、石坂健治、門間貴志らの名前も。
日本との間の影響にも一章を割いている。彼の意見に賛同するところもある。そもそも文化的に類似点がある隣国で、植民地支配時代に文化を少なからず共有した地域でもある韓国で、日本文化が禁じられる時代が長く続いたという点が(今根絶されたわけではないが)かつで韓国で日本のもののコピー・翻案が(その中で少なくないものが当地のオリジナルとして)無許可で氾濫した理由の説明の一端になるなと。ついでに著作権そのものの歴史、著作権先進国からどのように伝播してきたかといううちのこのたった100年の歴史を合わせれば、まぁ理由の80〜90%は説明ついたようなものだと私なんかは思ってしまうが。