よんだほん

「映画 創造のビジネス」岡田裕著
映画プロデューサの本、1991年と古いのは

日本映画は宣伝が野暮ったいとか、企画製作から宣伝まで通してのトータル・コンセプトが確立していないことなどとよく言われる。まぁ、批評家や物書きにとって、ネタがなくなった時は、日本映画や阪神タイガース日本社会党の悪口を言っていればとにかくその場は凌げるという傾向もあるので、こういう批評自体、それ程深い裏付けのもとに言われているわけでもない。

という記述に、隔世の感を覚えるところが示しているようだけれども、多くの大物監督と仕事をしてきた中の様々なエピソードや、当時の映画の潮流が見れてなかなか面白い一冊だった。日本でのシネコン時代前夜のこのデータ

洋画の大作の全国の売上げに対する東京の盛り場の売上比率を見ると、丸の内で日本全体の一三パーセント、新宿一〇パーセント、渋谷八パーセント、池袋四パーセントで、この四つの盛り場で全国の売上げの三五パーセントを上げているが、その他の場所、上野や浅草、品川や高田馬場全てを足してもほとんど数字にならない。大阪でもキタが一二パーセント、ミナミが五パーセントでそれ以外の所は問題にならず、東京と大阪のこの六つの盛り場で日本全国の売上げの五〇パーセント以上を挙げているわけである。

がどうなっているか、最新データはどこにあるんだろう。
数年前、某映画館(シネコンではない)で働く友達が「記録的な売上げを上げていると騒がれても、全然実感がない。そういうのはシネコンが稼いでいる」と言っていたけれど、そういう傾向は強まってるよなぁ。。。
こういう興行側の本と、  富野監督吠える。「映画は大衆芸能である」なんかを比較してみるといろいろ思うところがある気がするけど、チキンだからそこまで書くのはやめとこう。
「第七章−「映画への投資」・ハリウッドはジャパンマネーを持っている」等で日本の出資の話が出ている。前にちょっと言及した『ディズニー千年王国の始まり―メディア制覇の野望』などでも触れられている話題。さてさて日米どんな映画がこれから出てくるかなぁ。日本映画のハリウッドリメイクとかとの関連ってどうなのかなぁ。