2005-10-31に、

小倉紀藏著が歴史認識本を出すと知って期待したことを書いたが、実際に去年の暮れに出たのが『歴史認識を乗り越える―日中韓の対話を阻むものは何か』。読み物として面白かったけど、物足りなさも。既にあるものを体系立てて語る時の語り口はいつも面白いのだけれども、あくまで彼の仕事はそれであって、少なくともこの本を見る限り、未来のあるべき論は危なっかしいような。彼は『<癒し>のナショナリズム―草の根保守運動の実証研究』なんか読んでるのかなぁ。欠点はありつつもこれはこれで一つのポイントを押さえとても面白い本なのだけれども。