『新装版ソウルの練習問題 (集英社文庫)』関川 夏央著

はっきり言って偏っていて(当時の若き故の彼の知識不足もあっただろう)日韓関係の入門書としてこの本だけを読むのはとてもお勧めできない。しかしながら、文章の面白さも格別ながら、独特の視点で80年代の韓国を知る本としては非常に貴重で韓国ウォッチをするならば必読の書であることは間違いない。古典として今後何度も復刊されるだろう。著者の近年の日韓関係がらみの活動が目立たないのは気になるが、今だからこそ敢えて語ってほしい、表に引っ張り出したいという欲求にかられる。