『反日という呪縛』山中 恒

「児童文学作家」として著名ながら日本近現代史研究もすさまじい。1931年生まれで体験した当時の経験に膨大な資料を加えて解釈した山中歴史観。資料の引用も豊富でわかりやすい。彼の解釈は一つにすぎないし、資料の取捨選択の恣意性に指摘するところがないなんてことは言い切れないが、研究者として一次資料を自分でつきあわせるのでなければ、日本の近現代を知るのに彼の歴史関係書籍を読むことは欠かせない。