『企業の戦争責任―中国人強制連行の現場から』野添 憲治著

書名と内容が若干食い違うような。戦時期に、日本本土内部で労働者不足に陥った、危険を伴う工事現場へ徴用を含む中国人(捕虜含む?)、朝鮮人を多数労働させた企業の現場跡地を全国取材して各地について短くレポートしていった本。感想手記的に読んで感じるものもないではない。せっかく各地を取材しつつ、現地の人にインタビューした結果も取り入れて書いてはいるが、各跡地ごとのページが短いし、本文だけではどこまで史実が掘り起こせているかわかりづらくどこまで本書を信用してよいやら微妙なところはある。
この手のジャンルに興味がある人なら読んでおくといいとは思われる。