あいち国際女性映画祭2010

昔から、この映画祭に関しては割と木全ディレクターのセレクションを信用しているので、日本もしくは愛知での公開が本映画祭限りになる作品も含めてアベレージが高いのですが、なかなかあれもこれも見られないのでいつも残念なんですが、ことしも開幕。
ミスにんじん、良かったですね。ある意味で「変人コメディ」とも言えるんですが、たんにお馬鹿ではじけているというだけではなくて、繊細なんですよね。女性を描いていて、こんな人いないよ、こんな物語は映画だよ、なんだけど、実に繊細。今後に期待。本作品については世界に通用する映画ながら、韓国人にだけわかるコードを大量に使用しているとのこと。ティーチインで明かされた1例は「穴を掘る」シーン。何も知らなくても十分意味のないことをしている訳ですが、韓国語だとその行為を示す文言が軍隊用語で「無駄なことをする」の意味もあるのだと。全体の解説を見てみたい気もする。
それから、今年本格化したソウル国際女性映画祭との連携に関するセッションも。韓国短編映画プログラムもその一環。ソウルのスタッフからアジアの映画の交差点を担ってはとの提案も。もちろんそれはありだろう(まぁ、あいちの方針として特定の地域にフォーカスを起き続けるのがいいかどうかは議論あるでしょうが)。木全さんの好みともマッチするし、他の企画が圧迫されない限りにおいてそういう動きをするのであれば私は大歓迎(といってもそんな予算がどこにあるかは知らない)。
で、韓国短編1が、もうレベル高く、観客の反応も良く、客数も短編にしては上々。キム・ジニョンのBelieve in Meも、チェ・ヒョンヨンのThe After...も、キム・ヨンジョのYou Will Knowも短編としては傑作レベル。若い女性の繊細な心境コンボなので3本でオムニバスにしてもいいぐらい。