『フランス映画どこへ行く―ヌーヴェル・ヴァーグから遠く離れて』林 瑞絵著

最新のフランス映画の産業や作家の現状、そして今後について。とても面白かった。商業性と作家性の両立はどこに行くんだろう。監督や評論家へのインタビューも面白かった。個人的には日本映画の現状等と比べたくなる。全体的にはフランスの映画学校への批判的言及が多いのだけど(何度も学生が映画を見てないという文言が!)、学生のインタビューももちろん載っていてそれなりにしっかりした意見となっていたり。ちなみにほんのちょっとだけ韓国映画を引き合いに出している箇所がある(ここに全部引用してもいいくらいの量なので、それを読むためだけに本書を読むのはさすがにお勧めしない)。でも、「韓国映画産業や作家の変遷」みたいな点に興味がある人なら(韓国に限らないが)、フランス映画ファンやフランス映画通でなくても読む価値はあるのではないかな、と。