『アリス・イン・クラシックス』浅尾 典彦著

再掲。当然のことながら、アリス・イン・ワンダーランドが公開されている今だからこのタイトルだろう。だが、それをきっかけに本書を知っても悪くない。書籍としての「不思議の国のアリス」についての研究は多数なされているが、「アリス映画」についてはまだ浅いのではないか、という問題意識から出発している。そして、本書出版の前段として、浅尾さんらが1903年初映画化版、原作のテニエルによる挿画を忠実に再現したことで伝説になっている1915年版の日本紹介にこぎつけ、DVD発売などしている(ファンなら要チェック)そして、その古典映画の紹介を中心にアリスについて語った本書。原点を見て、アリス世界をより深く味わうための入り口となる本だと思われる。